2009-01-01から1年間の記事一覧

平成21年年末雑感

今年の読書は明治時代の人物の生き方に焦点をあて読み進めたが、秋になり秋山好古、秋山真之、正岡子規を主人公とした司馬遼太郎「坂の上の雲」が3年の長期のテレビドラマ化となった。高度成長時代に好んで読まれた小説である。この時代に生きた男達の生き…

小説 山崎豊子「運命の人」(続)

前回のブログに引き続き「運命の人」を書く。「昭和47年(1972)の沖縄返還に向けた日米政府間交渉で密約がかわされたこと」を当時の毎日新聞記者が外務省公電を入手しスクープしたが、国はこの記者「等」を国家公務員法違反に問う一方、「密約」の存在を否定…

小説 山崎豊子「運命の人 1〜4」(文芸春秋)を読む。

山崎豊子の長編がこの秋 映画 テレビドラマに取り上げられている。 「JAL」の経営構造と労組委員長の人生を取り上げたといわれる小説「沈まぬ太陽」、太平洋戦争時大本営の参謀であった主人公が戦後シベリアに11年抑留され 帰還後嘱託より入社した商社がその…

読書のマイヒストリー:「クーデンホーフ・カレルギー全集(1970−1971)・鹿島出版会」(2009・9・27)

30歳前後に印象に残し長い間忘却の彼方にあった政治家(むしろ思想家)の名前を複雑な心理状態で今思いおこしている。 「リヒャルト・クーデンホーフ・カレルギー」(リヒャルト・ニコラウス・栄次郎・クーデンホーフ・カレルギー=1894〜1972) オーストリ…

雑感(2009・8・31)

昨年8月にはじめたこのブログが一年を経過した。 昨日の総選挙の結果・民主党308議席 対自民党119議席。民主党 圧勝である。前回の総選挙は自民党の圧勝であった。 半藤一利の著書「昭和史」のなかに日本人の特徴として5点挙げ、心すべきこととして次のよう…

角川oneテーマ21「テロリズムの罠」(左巻・右巻)佐藤優著(2009・2・10)を読んで

ほぼ任期満了に近い総選挙が今月30日行われる。 前回総選挙から4年。4年に限らず、10年あまりの間、日本社会は発展どころか、劣化の流れになっていることは疑いない。時折出席する講演会会場においても「劣化」のヤジが飛ぶ。 投票の前に日本の現状・世界の…

暑中お見舞い申し上げます。(遠藤周作文学館にて)(2009・7・30)

暑い夏に入った。九州、山口での豪雨被害が痛ましい。 先に、長崎市にある「遠藤周作文学館」の話題を取り上げた。この「文学館」のある外海地区は平成17年1月の市町村合併で長崎市に合併され長崎市の一番外れにある。角力灘を望み、遠藤周作「沈黙」の舞台…

集英社新書「ブッダはなぜ 子を捨てたか」山折哲雄著(2006・7刊)を読んで。

グローバリゼーション化が進むに従い 宗教をテーマに取り上げた書物を読むようになった。激しい競争社会は一方で宗教に対する心が要求されるのではないか。宗教のない処=絶対ということはなくなる.「あくなき欲望の追求と自由のマヒ」。「アングロサクソン…

草思社「後藤新平・日本の羅針盤となった男」山岡淳一郎著(2007・3・2刊)を読む

高村光太郎が 目標に向かって黙々と努力し粘り強く達する岩手県人の気質について「岩手の人 沈深牛の如し 地を往きて走らず 企てて草卒ならず ついにその成すべきをなす。」と述べている。道州制になると「東北州」等でくくられその土地柄は希薄していくと危…

雑感(2009・4・29)

桜の季節も関東では終わり目下東北八戸周辺とメデイアは報じている。 今月はじめ東北松島まで行き 久々に松島瑞巌寺に行った。「臥龍梅」が満開であった。 来月九州長崎行きを計画 平成12年に開館した西彼杵郡外海町(現在は長崎市東出津町)の「遠藤周作文…

講談社「冬の喝采」黒木亮著(2008.10.20刊)

「黒木亮」という作家に興味を持ったのは「アジアの隼」(祥伝社)という小説が最初であった。あらすじは 新興国市場で世界の注目をあつめはじめたばかりのベトナムの金融市場を舞台にベトナムの発電所建設資金のプロジェクトファイナンスの「マンデート」(主…

光文社 「世界がドルを棄てた日」 田中 宇著(2009.1.30刊) を読む

著者は繊維メーカーに1年勤務の後 共同通信社その後マイクロソフト社を経て個人で国際ニュースの解説記事を配信。その配信者数20万人。夫人との共著「ハーバードで語られる世界戦略」が読書での著者との初めての出会いである。上杉隆と共に関心を持っている…

幻冬舎 「ジャーナリズムの崩壊」 上杉 隆著

血の気の多い多感な若い時 「ジャーナリスト」にあこがれた時代があった。「社会正義を目指し 社会不正義を糾す」。 年末の「派遣切り」. あと何日かで新年 お正月を迎える直前に仕事を 住居を取り上げられた若い世代の人たち、しかもそれを実施したのは経済…