2013-01-01から1年間の記事一覧

文芸春秋「孤愁・サウダーデ」新田次郎・藤原正彦著2012・11・30刊

フランスの「シャンソン」、イタリアの「カンツオーネ」、スペインの「フラメンコ」と並んで、聴く人に何とも言えぬ「哀調」の響きを持つ音楽に、ポルトガルの「ファド」がある。 「孤愁」、日本語で書くと、いまいちであるが、ポルトガル語「サウダーデ・sa…

早川書房「ブレイクアウト ネーションズ=大停滞を打ち破る新興諸国」 ルチル・シャルマ著 2013・2刊

このブログ2008年8月にスタートし 足かけ満5年になる。 短期間であったがベトナム・ハノイに行ってきた。高速道路を走る2人乗りの若者のオートバイの数に圧倒され エネルギーを貰って帰ってきた。 数年前ベトナムを次の中国と持ち上げ、ベトナム投資熱があ…

学陽書房「小説上杉鷹山(上・下)」童門冬二著1992・5刊

「なせば成る、為さねばならぬ何事も、為さぬはひとのなさぬなりけり」という上杉鷹山で有名な「米沢」という会津に近い風土を思い出し、早速かねて読んだ上記歴史小説、と同じ「鷹山」を取り上げた「漆の実のみのる国(上・下)(藤沢周平著)を、さらに2代…

岩波書店「最後の日本人―朝河貫一の生涯」阿部善雄著1983.9刊

前回会津を取り上げた。今回も取り上げる。厳密には二本松である。表題の本は隋分古い本である。30年前の本である。最近の本に『朝河貫一とその時代・矢吹晋著・花伝社・2007・12刊』がある。 ところで会津藩祖保科正之は 徳川3代将軍家光の弟であるが庶子ゆ…

講談社「めぐり逢いー新島八重回想記」鳥越碧著2012・11刊

「日本人の精神力」が一番強く、逆境にありながらも 向かい風にもめげず粘り強く戦う力を持ち合わせた風土があるとしたら、どこだろうと考えたとき、それは「会津周辺・はからずも戊辰戦争で敗戦に追いやられた地方」ではなかろうかと、少々一方的だが考えて…

ハースト婦人画報社「依田勉三の生涯」 松山善三著・2012・5刊

『指一本動く限りは十勝野の土を握りて放さぬ。何故か この豊饒の沃野を不毛に終わらせるのは子々孫々への恥と思うからだ。』 『十勝野には無限の富がかくれている。それを摑むのは、君たちの手だ、汗だ、血だ。』 数年前、ある郷土史家の文章で「依田勉三」…