徳間書店「グローバル経済に殺される韓国、打ち勝つ日本」三橋貴明著2012・6刊

 意外な著書であった。むしろウオンの通貨安戦略で日本よりグローバル経済で一歩先を歩いていると考えていた韓国経済が実はそうではない。格差も進み、失業率も実際は20%近いという。
 一度はIMFより支援を受けた韓国大企業の株主比率は50%以上が外国資本であり、配当は国内に落ちず海外に持っていかれるという。このため、仕事は厳しいのに対し、さほど国民は遇されてはいないという。国内消費は落ち込み国内景気は悪化という。

 実際 韓国主要研究機関の一つである韓国開発研究院(KDI)の成長率予測は、5月には2012年の実質成長率3.6%、13年を4.1%が 9月の予測は其々2.5% 3.4%ということが過日の日経紙で報道されていた。エコノミスト誌も10月16日号で「沈む韓国」という特集号を組んでいる。

 今日本国内ではTPPの議論 FTAの議論が賛否分かれるが、一歩先を歩いた韓国経済、もっと先は十歩先を歩いた南米の何ケ国を参考にして考える必要があるし、何をやっているかわからない民主党政権の経済、通貨戦略の必要性を感じる。以上